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シンガポールの消費者信用報告システムの発展

温 明月
早稲田大学大学院 助手

本研究は、置かれているマクロ経済および規制条件のもとにおけるシンガポールの消費者信用報告システムの発展状況についての分析を行った。

主な結論は以下の通りである。

シンガポールの消費者信用報告システムの発展は、所有構造、製品・サービスのカテゴリーなどの面において、よいスタートを示している。シンガポールのクレジットビューローはレンダースエクスチェンジ型のモデルをとっている。その所有構造、そして、国際展開を行っている海外のクレジットビューローとのパートナーシップについての規制がないため、国際経験の導入が可能となっている。

しかしながら、シンガポールの銀行法が銀行などの金融機関の情報開示に対する制限のもと、シンガポールの消費者信用報告システムの会員構造は、金融部門と非金融部門ごとに分けられている。このような会員構造は産業を超えた信用情報の共有を制限し、信用報告システムおよび信用市場の発展のボトルネックとなっている。この問題への対応として、他部門の信用提供者を信用情報の提供が伴わない非貢献会員として取り入れる、というクレジットビューロー側の取り組みが行われているが、法改正や、M&Aなどを通じたさらなる解決が必要とされている。

→英語バージョン

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