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2018年サマリー

2017年度 九州部会
2017年12月2日(土)14:00~17:00

福岡市内にある中村学園大学で2017年度の九州部会を開催いたしました。 9名の参加者でしたが、4報告に対して活発なディスカッションが行われ、有意義な研究会となりました。 報告者と報告要旨は以下のとおりです。研究会後は場所を移し、懇親会を開催いたしました。
報告1 社内英語化の導入による人材活用への影響
―文献レビューを中心に―
西南学院大学大学院経営学研究科 博士後期課程  髙松 侑矢
企業のグローバル化への対応策としての社内英語化に取り組む企業が増えつつある。 特に、従業員の英語能力の向上と、英語力のある人材(外国人を含む)を活用するための研究は、一般的に英語能力が低いといわれる日本人・日本企業にとって有意義な研究であるといえる。 しかし、海外の研究をみると、多国籍メンバーが集まる組織・職場において共通言語である英語がメンバー間の対立を促すことを示唆している。 海外の研究より、社内英語化の研究は英語学の領域に加え、経営学の領域でも取り扱うテーマだと考える。 言い換えれば、共通言語(本報告ではリンガフランカとしての英語を指す)は、企業の人材マネジメント研究に向けた1つの視点として捉えることができる。 本報告では、文献レビューを中心に社内英語化に関する日本と海外の研究を比較し、社内英語化に向けた人材活用のあり方を検討したい。
報告2 インターンシップが職業選択に与える影響と課題
中村学園大学短期大学部  藤島 淑恵
文部科学省の調査によると、短期大学において単位認定を行うインターンシップの実施率は87.5%であるが、免許・資格に関係しないインターンシップの実施率は39.4%、参加者率はわずか4.5%である。 そのような中、中村学園大学短期大学部キャリア開発学科では、平成25年度よりインターンシップを必修科目として開講している。 事前研修および事後研修において実施したアンケート調査では、仕事・働くことに対するイメージに変化があった。 また、職業選択の際に重視することとして、実習前は条件的なこと、実習後は「会社の雰囲気」をあげる学生が多く、アルバイト経験すら乏しい短期大学生にとって、インターンシップが職業選択に与える影響は大きい。 一部ではあるが、インターンシップを通じ、職業選択の職種や業種の視野が広がったケースもある。 課題としては、事前研修の内容、実習先のマッチングなどがあげられる。
報告3 動機づけプロセスの状態遷移モデル構築過程の現状と課題
福岡工業大学短期大学部  石橋 慶一
業務効率向上を目指し,新たな業務手法を導入することがある。導入当初は成果が出ていたとしても,成果が出なくなり,失敗に至ることがある。 これらの原因として作業しやすい従来の方法に戻ってしまい,新たな業務手法による作業方法が定着しないことがあげられる。 新たな業務手法を導入し定着させるには,変えることが困難な組織文化や個人の価値観について考える必要がある。 そこで、動機づけ理論を情報工学のモデリング技術である状態遷移に適用し、経営者が業務手法を導入し定着させるまでの定着過程を理解するための「動機づけプロセスの状態遷移モデル」の構築を試みている。 本報告では動機づけプロセスの状態遷移モデルについて説明し,ソフトウェアプロセス教育やビジネス情報教育へのモデルの適用など,モデルの構築過程の現段階のまとめをおこない,今後の課題について述べる。
報告4 リフレクションによる教育効果-大学生のPBLからの考察
中村学園大学 浅岡 柚美
DeweyやKolbらの構成主義的アプローチ、あるいは経験学習において重要視されているリフレクション(Reflection, 内省、省察)は、看護や教員養成では教育や研修に多く導入されているが、企業の人材育成における導入事例は限定的である。 本報告では大学生のPBL(Project / Problem Based Learning, 課題解決型学習)の事例を取り上げる。 計画的にリフレクションを導入して検証を行ったものではないが、結果的にリフレクション-Kolbが示した「行為の後の内省」-が学びに影響した取り組みを報告する。 課題解決学習という一連の行為の後に行われた「経験を振り返り、考え、言語化し、評価(意味づける)するプロセス」をリフレクションと位置づけ、リフレクションの有無が学習に及ぼした影響を考察する。 計量テキスト分析(KH Coder)を用いて、学生のレポートを分析した。 専門的な学びに対するリフレクションによる深化を探索し、社会科学系のリフレクションによる教育効果を蓄積することを報告の目的とした。
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