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歴代会長挨拶

第41回全国大会時の会員総会(2011年6月25日)にて「代表理事」の名称を「会長」に変更することが承認されました。

(2011年8月20日)



会長再選の挨拶

江夏 幾多郎


この度,日本労務学会の会長に,図らずも再選されました。 前の任期中の活動が一定程度評価されたことについて喜ばしく思うと共に,改めて身が引き締まる思いです。

ご多忙の中であるにもかかわらず前理事会の執行を支えてくださった本部事務局,理事会の先生方に,遅ればせながら, この場を借りて御礼申し上げます。 新しい本部事務局,理事会を構成する先生方にも,学会の運営を共に担っていただいていることに, 心よりの感謝を申し上げます。 本学会の活動に関心を持っていただき,ご参加いただいた会員・非会員の方々におかれましては, 益々の支援を,心よりお願いいたします。

2年前の会長就任挨拶では,会長として向き合いたい4つの課題を示しました。 これらの課題は引き続き尽力するべきものであり,改めてその内容について紹介いたします。

第一に,学会の学際性を維持・強化するための新規会員の獲得です。 この点については,組織委員会の尽力もあり,学問的バックグラウンドにおいて多様な会員を獲得してきました。 会員総数の維持あるいは増加に向けて,引き続き取り組みます。

第二に,若手研究者の活動支援です。 この2年間,若手会員の多くが執筆に参加した,人事労務に関するデータや考え方を取りまとめた書籍を編集してきました。 当初予定からはやや遅れましたが,本挨拶文の執筆時点で,刊行が目前に迫っております。 そして現在,若手会員のネットワーキングや研究活動を支援するさらなる試みとして, 人事労務に関する事例を取りまとめた書籍の編集を開始しております。 これらを通じ,若手研究者の成長,彼らのプレゼンスの学会内外への発信を,継続的に支援します。

第三に,理事会と会員のコミュニケーション強化です。 この点については,先に述べた若手研究者支援において,部分的に達成されました。 学会の執行部が目指していることを伝え, 若手研究者からは研究上の関心やキャリアなどについて多くの情報や考えを伝えられました。 ただ,学会全体に対して情報発信をし,フィードバックをもらう。 それを通じて学会内のさまざまな実情を知り,運営に活かすという点では,取り組む余地があります。

第四に,本学会固有の風土の醸成です。 この2年間,全国大会および地方部会で,さまざまな話題提供,活発な意見交換がありました。 全国大会においては,第53回(近畿大学)から対面開催が再開しました。 研究の国際化は益々強まるでしょうが,だからこそ, 日本初の研究のインキュベーション(孵卵)の役割を,日本の学会は果たすべきでしょう。 単に旧来に復するのではない,知識の創出,研究者の交流の場としてのさらなる充実に努めます。

学会の運営,および学会を支えるルールにおいて,さまざまな改善の必要性と余地の双方があることを痛感した2年間でした。 会員の方々に改善の実感をしていただけるよう尽力する所存ですので, ご意見やご批判を積極的にお寄せください。

(2023年11月2日)

会員を後押しする学会:会長就任にあたって

江夏 幾多郎


この度,日本労務学会の会長に選出されました。想定外の選出ではありましたが,2年間の任期の間, 伝統ある本学会の発展に微力を尽くす所存です。

私は,会長に選出されるに先立ち,日本労務学会の全国大会のプログラム委員長を2年連続で務めさせていただきました。 2年連続というイレギュラーの背景にあるのは,言うまでもなく新型コロナウイルス感染症の流行です。 第50回という節目の全国大会のために委員会全体で企画した様々な催しを,オンライン形式で完全に実施するため, 2年にわたってプログラムの企画・運営を統括しました。これらの大会に発表者,司会,コメンテーター, 聴衆として参加していただいた全ての方々に,プログラム委員会を代表して心よりの御礼を申し上げます。

第50回,第51回の全国大会では,「日本の人事労務研究の将来展望」という統一テーマを掲げました。 そこでは,様々な学術的バックグラウンドを実際に交差させてこそ,人事・労務という研究対象を複眼的・立体的に把握できることを示しました。 また,現在や未来を展望するため,過去の研究や事象について深く洞察することが有意義であることを訴えました。 このような知的・人的な交流の意義は,学会設立時から掲げられてきたものです。 オンラインミーティング「にもかかわらず」有意義な交流を実施できたばかりか, オンラインミーティング「だからこそ」交流が豊かになった側面もありました。

シンポジウムも含め,フルラインナップでの全国大会をオンラインで開催することを通じて得た様々な事柄を, 日本労務学会の会長としての職務に活かしてゆく所存です。会長として,今後の2年間で以下のような課題に取り組んでいきます。

第1に,学会の学際性を維持・強化するための新規会員の獲得です。近年の本学会では,会員の入れ替わりに伴い, 特に社会学,経済学,法学的なバックグラウンドを持つ研究者の比率が低下しております。 まずは,学際的であることを重視してきたこの学会の伝統に,改めて立ち返ります。 その上で,地域レベルまたは全国レベルでの様々な研究企画を通じ,様々な研究領域の卓越した研究者とのコラボレーション, そして非会員の新規入会を促進します。

第2に,若手研究者の活動支援です。一般的に,若手研究者の成長の場としては,学会に加え,所属する大学院や機関があります。 大学院生などの若手研究者にとって,指導教員,先輩,同期や同僚などとの濃密な交流が,研究者としての成長の糧となってきました。 しかし近年に至り,大学院への進学者の減少や,人事労務研究に関わる就業機会の制約により, 若手研究者の多くが日常的な交流機会を十分に持てなくなっております。 こうしたことを踏まえ,本学会としては,若手研究者の所属する大学院や機関の枠を超えたネットワーキングを支援します。 近年の全国大会や地方部会でその有効性が証明されたオンラインミーティングの仕組みも,積極的に活用します。

第3に,理事会と会員のコミュニケーションの強化です。 学会が長期的に発展するためは,従来よりも多くの会員に学会運営に関心を持っていただき,実際に参加し,リードしていただくことが不可欠です。 そのためにも,理事会として,学会が全体として有する人的資源の厚みや特徴について改めて把握し,各会員とコミュニケーションを取っていきます。従来よりも多くの会員による研究成果の発信や学会運営への貢献を,全国の会員に知ってもらい,会員間の交流,各会員の当学会の活動への積極的な参加を促進します。

第4に,本学会固有の風土の醸成です。 近年,研究活動の国際化に伴い,大学院生や若手も含めた多くの研究者の海外志向が強まっています。 国際的な学会やジャーナルでの研究成果の報告に多くの研究者が動機づけられる中で,日本に根ざした学会ができることは一体なんなのでしょうか。 国際的な活動と国内での活動がトレードオフにならないこと。 日本労務学会という特殊な場で活動していることが国際的な発信力につながること。 こうした事実やメリットを創出できるような学会を目指します。

近年の人事・労務が直面する課題は数多くあり,新型コロナウイルス感染症の流行への対応とて,数ある課題の一つに過ぎません。 そして,直面する課題に積極的・創造的に向き合っている組織や個人は,実はそう多くないのではないでしょうか。 また,有意義な課題対処の事例やそこに潜むメカニズムが,まだ十分に知られていないのではないでしょうか。 より多くの組織や個人が目下あるいは将来の課題をより的確に定義し,対処するために,学術の共同体ができること, なすべきことは多くあるはずです。 日本労務学会の会員一人一人が人事・労務の課題解決の先頭に立てるように支援する。 この責務を常に思い起こしながら会長としての職務を果たす所存でありますので,会員各位によるご支援を心よりお願いいたします。

(2021年8月31日)

会長就任にあたって

島貫智行

このたび日本労務学会の会長に選出され、その重責に身が引き締まる思いです。微力ではございますが精一杯尽力してまいりますので、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。

本学会は、2020年に設立50周年を迎えます。これまで労働や雇用、人事労務管理、労使関係の諸問題を、経営学、経済学、社会学、心理学、法学、労働科学などの分野を超えて多面的に研究してきました。 また、この学際性を基盤に多様な視点や考え方を受け入れる組織風土を醸成し、研究者に実務家も加わることにより労務問題をとりまく理論的知見と実務的知見を融合し、新しい知の創造を進めてきました。 こうした日本の人事・労務研究を牽引する学会として諸先生方が築いてきた良き伝統を継承しながら、次の50年の発展に向けた基盤づくりに取り組んでいきたいと考えております。

この節目となる2年間に取り組む課題として、次の三つをあげたいと思います。 第1は、研究活動の一層の活性化です。なかでも機関誌の充実は喫緊の課題です。 機関誌編集委員会を中心に検討を進め、論文投稿・査読の向上やより魅力的な学術雑誌に向けて取り組んでまいります。 また、全国大会において話題性のあるプログラムの策定や参加者の旺盛な研究報告・議論の促進はもとより、地方部会を起点とした特色ある企画にも取り組みたいと考えています。 第2は、学会運営の効率化です。会員の皆様の利便性を高めるサービス改善を図りつつ、より効果的な予算活用、現状に即した規則の整備、組織体制のスリム化などを行ってまいります。 第3は、学会の将来を担う研究者の育成支援です。私自身も本学会で多くの先生方にご教示を受け、研究者として育てていただきました。 大学や所属機関の枠を超えた育成機会や知の伝承、グローバル化に対応した研究支援、労務問題に関心を持ち研究者を志す人材の発掘、産学官連携による研究可能性など、新しい試みを模索したいと思います。

これらの課題はいずれも短期間で成果が出にくい大きな課題ですが、本学会が今後も人事・労務に関心を寄せる研究者と実務家の皆様に選ばれる学会であり続け、さらに人事・労務研究を牽引し社会的に貢献できる学会となれるよう、 50周年の節目となる任期を務める責任を深く自覚し、理事の先生方のお知恵やお力を拝借しながら取り組んでまいります。 会員の皆様方をはじめ、本学会の活動にご賛同いただいております学会外の多くの方々からのご支援を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。


(2019年10月28日)



会長就任にあたって

坂爪洋美


この度、図らずも日本労務学会の会長に選出されました。伝統ある日本労務学会での重責に身が引き締まる思いです。微力ではございますが、任期の2年間精一杯努めて参りますので、お力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

東京オリンピックの開催まで1000日を切り、「2020年に向けて」という言葉をよく耳にするようになりました。 1970年に発足した本学会は、東京オリンピック開催の年に設立50周年を迎えます。 そこで、これからの2年間を50周年に向けた助走期間と位置づけ、その後の50年も続く学会、さらにこれまで以上に人事・労務に関わる議論を牽引する学会となるべく、改めて学会の基盤づくりを進めていきたいと考えております。

本学会の魅力の1つは、経営学、経済学、社会学、心理学、法学、労働科学、組織行動論など多岐にわたるバックボーンを持つ研究者ならびに実務家の皆様が、活発な議論を展開できることです。 これまでもその時々の要請に応じて切り口を変えつつ、「人間労働のあり方の根源を問う」という非常に重要なテーマについて、様々なパースペクティブから議論を重ねてきました。

もう1つの魅力が、時に厳しい指摘をしつつも、共に良い研究・良い組織を作り上げていこうとする懐の深さのある組織文化です。 全国大会や地方部会にご参加された会員の皆様は、その雰囲気を肌で感じられていることと思います。 多くの先輩諸先生方のご尽力により培われてきた多様性、ならびに多様性を活かす組織文化は本学会にとって大きな財産です。学会の基盤づくりは、これらの魅力を維持しつつ、活かしていくことで進めて参ります。

学会誌を通じて自らの研究を発信し、発信された論文を読んで新たな知見や刺激を得ることとはとても有益なことです。 同時にこれらと同じ位私達にとって大事なことは、まだ道半ばにある研究の口頭発表を聞き、そこでの活発なディスカッションを通じて、 発表者も聴衆も切磋琢磨することではないでしょうか。若手研究者だけでなく、中堅・ベテランと呼ばれる会員の方々にとっても、挑む場・刺激を受け、与える場を継続的に作り出していきたいと考えています。

世界中の最新の論文を即座にWEB上で入手し、面識のない海外の研究者とでさえメールでやり取りできるようになり、私達の研究上の交流のあり方は大きく変わり、そして広がりました。 しかしながら、このことが対面での議論の価値を相対的に後退させているのだとすれば、それはとてももったいないことです。 会員の皆様が本学会の魅力を最も感じていただける場、足を運びたくなるような場を作っていきたいと考えておりますので、全国大会はもとより、地方部会にも足をお運びいただければ幸いです。

理事の先生方からお知恵を拝借しながら、会長として微力を尽くしてまいります。会員の皆様方からのご支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。 また、本学会の活動にご支援をいただいております学会外の多くの方々にも感謝申し上げると同時に、さらなるご支援をお願いいたします。

(2017年7月)



日本労務学会会長就任にあたって:良きSocietyに

清家篤(日本労務学会会長)

このたび日本労務学会理事会において会長に選出されました。もとより微力ではありますけれどもこれからの2 年間、会長の職務を果たしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  

日本労務学会(Japan Society of Human Resource Management)は、「人事・労務の研究とその発展」、「人事・労務の研究者相互の協力と便宜の促進および交流」、そして「人事・労務の研究に関する内外の学会その他の団体との連絡・交流」を目的とする学会です(会則第2 条)。1970 年に発足し、今年で創立45 年をむかえました。

この学会は、人事・労務という研究対象を一にする、様々な学問領域の研究者からなる学際的な学会です。その学問領域は、経営学、経済学、社会学、心理学、法学、労働科学、組織行動論など多岐にわたっています。また会員は大学や研究所などでもっぱら研究に従事する人たちはもちろん、企業 や団体などにおいて人事・労務の実務に携わりながら研究をしている人たち、そしてそれらの研究をすべく研鑽を積みはじめた大学院生の学生会員など多様性に富んでいます。これらの会員が、毎年の大会、地域別の地方部会での報告や討論、さらには学会誌への投稿などを通じて、積極的に学会活動 を行っています。

働く人は人事・労務の仕組みを前提に生活を組み立てており、その意味で人事・労務は、きわめて重要な制度、慣行であることはいうまでもありません。しかしその人事・労務の仕組みもまた、大きな経済社会の一部として、経済や社会の構造変化の影響を免れません。人口の少子高齢化、グローバ ル競争の激化、情報通信技術の急速な進化、といった最近の構造変化は、人事・労務のありかたを大きく変えつつあり、それがこれからどのような姿となっていくかは、私たちの生活そのものの将来を大きく変えることにもなります。

その姿を知るためには、人事・労務の現状をそれぞれの研究領域においてより深く分析、研究することがまず大切です。その上でそうした研究、分析を学際的にも応用することによって、経済社会の構造変化にともなう人事・労務の変化を具体的に予測できるわけです。  

現在では「社会」と訳されている英語のSociety という言葉に、福澤諭吉は最初「人間交際(じんかんこうさい)」という訳語をあてました。Society というのは人々がそこで互いに交わり、触発し合い、高め合う場であるべきだと考えたのだと思います。日本労務学会もJapan Society of Human Resource Management という英文名にあるように、“Society”として会員同士高め合う場であり続けてきました。

その良き伝統を守り発展させていくには、会員各位の学会活動をさらに活性化することが不可欠です。会長としてそうした環境をさらに整えていきたいと考えています。またそうした日本労務学会の活動に学会外の多くの方々が関心を持ち、支援を与えて下さっていることにも感謝申し上げ、さらなる御支援をお 願いします。日本労務学会の活動によって、人事・労務のあり方への理解を深め、そのよりよき将来像を示すことのできるよう微力をつくしてまいりたいと思います。

(2015年10月7日)



会長就任にあたって

会長   白木 三秀

この度、図らずも日本労務学会の会長に選出されました。長年の伝統ある本学会での重責に身が引き締まる思いです。任期の2年間、本学会の発展に微力を尽くしたいと思いを新たにしております。  

当学会は、このホームページでもご案内の通り、「労務問題・人的資源管理」(英語ではHuman Resource Management)の研究とその発展という目標を掲げ1970年12月5日に発足いたしました。それ以降、労務問題ならびに人的資源管理に関する研究者・実務家の相互の協力と啓発の促進、 他団体との交流や連携が活発に続けられながら、現在に至っています。

当学会の大きな特徴は、労務問題ならびに人的資源管理に対し極めて学際的なアプローチを試みるところにあります。会員には、経営学・経済学・社会学・心理学・法学・労働科学の諸分野の研究者に加え、日頃、人事労務に携わる実務家も加わり、さらには、将来の研究者・専門家を目ざす大学院 生も擁し、会員には実に多彩な顔ぶれが揃っています。会員数は850名を超え、多様なバックグラウンドを有する多くの人たちが情熱を傾けて、様々な方法論で持って労務問題ならびに人的資源管理を研究する我が国最大規模の学会となっています。

年間活動として、年に1回、統一論題テーマを掲げて、全会員が一堂に会して開催される「全国大会」がありますが、それ以外に各地方・地域で「地方部会」が年に1回から3回くらいまでの間隔で開催されて活発な議論が展開されています。学会の重要な機能としてさらに、高度なアカデミックなレベルを維 持しながら、査読付きの「学会誌」も年間2回ずつ発刊され、会員相互の切磋琢磨、啓発活動を行っているところです。

このような学会でこれから2年間の会長職をお引き受けしたわけです。限られた期間ではありますが、以下のような5点ほどの目標を掲げて頑張っていきたいと思っております。

第1に、学会の会員数の一層の増大であります。規模を大きくすることは学会の目的でないことは自明でありますが、全国の大学で 「労務問題・人的資源管理」の講座を有しながら会員のおられないところがあり、また当該分野に関心を有する実務家の方々や若手の研究者・大学院生も未加入会員とし て多く存在しています。当学会の本来の目的である活性化を図るためには、これらの方々の参加を得ることが不可欠であります。こういう意味で、2年間で950名規模の学会とすることを目指したいと思います。  

第2に、学会活動の内容面での充実と活性化のためには、財政基盤の安定化・強化が不可欠です。次に掲げるいくつかの目標を達成するにも、資金的裏付けがないと実現が難しいと思っています。単年度での黒字化を発展的に達成することが重要と思っています。

第3に、現在以上の地方部会の活性化が求められます。全国大会と連携しながら、地方部会を活発に運営していく工夫をしていこうと思います。

第4に、学会として若手会員育成のための具体的な方策をこれまで以上に充実させる必要があると思っています。若手会員の研究活動をサポートできるような機能を学会としてより充実させたいと思います。

第5に、グローバリゼーションが進む現在において学会の国際化の継続的な推進は不可欠と思っています。このため、ホームページの英語での対応、学会や学会誌での英語対応のさらなる充実、海外学会との連携や国際会議の開催などがこれまで以上に進められる必要があろうかと思っています。

以上のような大きな目標が2年間で達成できるかどうかは不明ですが、少なくとも、その方向性を見据えながら、先輩諸先生方が築き上げてきた偉大な伝統を引き継いでいくべく微力を尽くしたいと思っております。

会員の皆様方から絶大なるご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

(2013年11月8日)



代表理事就任にあたって

代表理事  上林 憲雄

このたび,はからずも伝統ある日本労務学会の代表理事を仰せつかりました。重責に身が引き締まる思いです。

さて,当学会は,このホームページでも紹介されていますように,「労務問題」の研究とその発展という目標を掲げ1970年12月5日に発足いたしました。 それ以降,労務問題に関する研究者相互の協力と啓発の促進,他団体との交流や連携が活発に続けられながら,現在に至っています。 当学会の大きな特徴は,労務問題に対し極めて学際的なアプローチを試みるところにあり,経営学・労働経済学・社会学・心理学・法律学・労働科学の諸分野の研究者に加え, 人事労務に携わる実務家も加わり,会員には実に多彩な顔ぶれが揃っています。会員数は900名を超え,労務問題を研究する我が国最大規模の学会となっています。

多彩なバックグラウンドを有する多くの方々が一堂に会して開催される当学会の年次大会は,例年とても活気に満ちており, 実にさまざまな観点・立場からの議論が繰り広げられます。学会設立当初には,大会の統一論題テーマは,労働疎外や人間性回復といった, 現場で働く人々の労働のあり方,とりわけ「人間的労働」の実現を強く意識したテーマ設定でした。ただ,最近の大会では, グローバリゼーション,グローバル・スタンダード,成果主義や人材開発,キャリア等々のキーワードに象徴されるように,よりグローバルに, また個別的・具体的で多岐にわたるテーマの設定がなされる傾向にあるようです。

このように,個々の大会で取り上げられるテーマは,一見すると設立当初からは大きく変化しているようにみえますが, 実はその基本的な考え方や目指すところはほとんど変わっていない,というのが私の見解です。 当学会の底流をなす1つの根本テーマ――人間労働のあり方の根源を問うこと――が,個々のテーマは変わり時代が変遷し続ける中でも存続しつづけていると考えるからです。

昨今,周知の通り,いわゆる非正規労働者の問題やディーセント・ワークのような,まさに人間労働の根源に関わる諸問題が社会的に大きくクローズアップされていますが, そこでの出発点となる問いは,人間にとって働くということはどういう意味を持つのかという点にこそあるはずです。 こうした人間労働のあり方の根源についての探求は,当学会の設立当初よりずっと継続して底流をなしてきた, そして今後も探求され続けられねばならない,当学会の最も重要な使命といえるでしょう。この意味で, 我々日本労務学会は,今日ますます社会からの期待が高まりつつあり,同時に,学会として対社会へ向けた学術成果の積極的な発信を心がけることが必要となってきています。

代表理事として,先輩諸先生方が築き上げてきた偉大な伝統に敬意を払いつつ,当学会が新たな時代へ向けて今後ますます発展していけるよう, 微力ながら力を傾注いたしたいと考えております。会員の皆様方からのご支援を賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2009年9月9日)



労務研究 この誇り高きもの ―― 代表理事就任にあたって ――

代表理事 赤岡 功

日本労務学会は、1970年12月5日に、労務問題の研究とその発展を掲げて觴をうかべている。 そして、第一回の全国大会は、翌1971年に立教大学で開催され、その統一論題は、「経営労働における人間問題」で、 第二回大会のそれは「経営労働における人間性回復」である。以来35年、この学会の底流には、経済性の維持向上とともに、あるいは、 それ以上に、人間性維持向上への強い関心が流れてきたと、私は考えている。この動きは国際的にも新潮流でもあり、 この日本労務学会の関心と研究は世界でも先進的であったいえる。その意味でこの学会を創設した先学の慧眼に改めて敬意を表したい。

1972年には、QWLの研究集会がカナダで開かれているし、また、1985年秋パリで開かれたQWLの研究集会で、 STS論の開拓者の一人クラインは、その基調講演の冒頭で、「わたしは、この講演を始めるにあたって、レディース&ジェントルマンという言葉を使いたくない。 それに換えて、シスターズ&ブラザースといいたい。なぜなら、私たちは、世界にあって、ともに労働における人間性の向上を求めている仲間であるから」と呼びかけて、会場の感動を呼んだ。

この当時からみれば、近年では、労働の人間化といったタイトルが直接使われることは大変少なくなっているが、この学会の大会の統一テーマに含まれるキーワードをみていくと、 ヒューマン・ルネサンス(24回大会)、HRMの課題と方法(26回大会)、会社と社員の新しい関係(33回大会)、日本的成果主義(34回大会)とあり、その背景を考えると、 経済性とともに人間性維持向上を目指す真摯な検討の歴史が浮かび上がってくる。また、世界の、また日本の現状に目を向ければこの学会が社会に向けて果たすべき役割は重く、轍鮒の急を告げている。

あたかも、「現代の雇用問題と労務管理―労務管理の反省と再構築、そして研究者の責任―」が、29回大会の統一論題である。私たちの責任はまことに重い。しかし、この研究は本当に誇り高い研究であると、痛感している。

  今回、はからずも、この素晴らしい学会の代表理事をおおせつかった。非力ではあるが、力を傾注したい。

会員諸氏および役員・委員のご協力をせつにお願いします。

(2005年12月26日)



本部事務局をお引き受けして

代表理事  渡辺 峻

過日、日本大学にて開催された理事会において、今年度より本部事務局を担当するよう、仰せつかりました。私にとり、能力の限界をはるかに越えた仕事ではありますが、会員の皆さんのご指導・ご鞭撻をいただきながら、頂戴した任務を遂行したいと思います。

私見ながら、今日ほど私たち日本労務学会の果たすべき社会的な役割と責任の大きい時はない、と思っています。 厳しい経営環境の中で、一方において成果主義人事が普及し、雇用形態の多様化、労働力市場の流動化が進展していますが、 他方において三百数十万人の失業者、就職できない学生の増加、メンタルヘルスケア対象者や過労自殺者の急増など、 胸を痛める事態をもたらしています。このような雇用・人事・組織・労働に関係するさまざまな「労務問題」が、 社会的病理の様相を呈して私たちの目前に山積しています。もちろん、これらの「問題」の暗い側面ばかりを注視しますと、 未来が絶望的になりますが、他面において、これらの問題解決のための方策提起が強く求められている、と思われます。

私たち日本労務学会に結集した理性と科学は、日本社会に山積するさまざまな「労務問題」について、その要因分析とともに、 その問題解決についても責任をもたねばならない、と思われます。学際的であることを特徴とする本学会でこそ、 個人・企業・社会のバランスを考慮し幅広い視野から、このような課題に取り組めるものと確信します。日本社会の未来のために、 学問・研究の発展のために、本学会の果たすべき役割と責任は、今日、非常に大きいものがあると思われます。

前任者・菊野一雄先生が、この間、本学会の発展のために大きな足跡を残されましたが、私は、そのあとをほんの少しでも引継ぎ、 本学会のさらなる発展と社会的責務の遂行のために微力を尽くしたいと存じます。会員の皆さんの格別のお力添え・ご協力を賜りたく御願いを申しあげます。

言葉が足りませんが、本部事務局を引き受けるに際しての挨拶に替えさせていただきます。

(2003年12月10日)

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